写真:最初に打ち合わせをした弁護士事務所の受付の横。担当弁護士はFacebook Swedenの取締役らしいです。
こんにちは、あそがまこと望月です。
先週の水曜日からスウェーデソに潜入し、ビザや起業などの情報を調べておりまふ。
普段は特定の方に調査を依頼されたり、限定グループのみに調査内容を公開しているのですが、調査内容や調査過程をディスクローズしないことであらぬ噂を立てられたりアフォ扱いされることもあり、また今後の調査に希望を持って頂ける方もいらっしゃるのではないかということで今回は調査内容を全公開しております。
すべて全公開することで若干僕自身にもリスクがあるんじゃまいかとは思いますが、それ以上に多くの人に役立っていただけるのではないかという目論見からやっております。
Airbnbで宿を見つけたのですが今回初めての大失敗をしてしまいまして、完全に郊外な上に物凄い値段が高く、オーナーも事前に話していた人と全く違う上に設備も全然足りないので最初の数日間はそこから脱出することに多大なエネルギーを費やしてしまいました。
土日は何も動かないのでジリジリしておりましたが偶然にもいい線を捕まえることができ、早くも今日、火曜日に起業とビザに関して一つのマイルストーンに達しました。
起業ビザやWork Permitに関して色々書いてあるページはありますが、今回はその手続を日常的に行っているスペシャリストにインタビューをしたので間違いなく最新の情報です。ストックホルム中心地にあるビジネス系弁護士事務所と、そことつながりのある大手監査法人で調査しました。
以降、スウェーデソで起業、ビザを申請するにあたってはメール一本で手続きを始められます。
まず結論ですが、「日本人がスウェーデソで起業ビザを取ることは他のヨーロッパの国と同様に可能」ということが分かりました。
ただし、国をほとんど切り売りしてるような南欧とは経済状況が違うのでゴールデンビザやリタイアメントビザのようなものはありません。
ビザの発給場所ですが、通常であればフラソスやスペイソと同様に在日領事館です。ただし、今回手続きのギリギリまでスウェーデソ国内で行い、最後の指紋登録&写真撮影だけ日本で行うことが可能だということも分かりました。(2~3週間)
具体的にはまず起業するか、現地の会社を購入します。購入する会社は自分で見つけてもおkだし、今回あそがま氏が打ち合わせをした弁護士事務所に紹介してもらうことも出来ます。
そしておよそ6ヶ月ほど活動したのち、試算表などの会社の財務情報を集め、ビザの申請をスウェーデソ国内のMigration Boardに提出します。
スウェーデソビザに関するサイトには起業とビザの申請を同時に行う前提で書いてあるところが多いのですが、それと違って先に起業して、約半年間実績を出した後にビザを申請するところがミソです。というのも、起業とビザの申請を同時に行うと審査が最短でも1年かかるのですが、先に起業してから後でビザを申請するとその時点から1~3ヶ月で審査が完了する上、必要とされる書類も非常に少なくなるためです。ビザの申請にこれだけ時間がかかっているのは現在シリアなどからの難民ビザ申請がたてこんでいるせいで、今までと同じ体制の役所に突如数万件の申請がなだれ込んできたのが原因で単純に強烈な人手不足になっているかららしいです。
ビザの審査が進んでいる間、フラソスやスペイソのように在日領事館にパスポートなどを預けて待っている必要はありません。審査がほぼ完了してから、最後の発給の時のみ在日スウェーデソ領事館に戻り、指紋、顔写真を登録するというように日本に戻っている期間を大幅に縮小することができます。(約2~3週間)
起業する場合には基本的に業種、業態は自由。しかしAirbnbなどの不動産に関わる事業では少し審査が厳しくなる可能性があるということです。
現地のスウェーデソ人と共同出資をしなければいけないという規定はなく、100%自分で会社を所有できます。また、バーチャルオフィスのようなものを使って住所を登録することも出来ますが、スウェーデソにずっといない場合にはCorrespondenceという役職を立てる必要があります。
これはスウェーデソの税務署や司法省がいつでも連絡出来るようにするためで、主に弁護士などに頼むことになります。起業手続きにかかる弁護士費用は約2500€。このCorrespondence料が別に2500€。会計士の1年の契約料は最も基本的なコースでさらに別に2500€くらいです(会計士費用歯取引数が増えればそれに応じてさらに上昇)。
ヨーロッパの他の国と違い、スウェーデソでは個人の起業ビザの申請というのは非常に珍しいらしく、それを扱っている弁護士事務所がとても希少です。弁護士事務所ではなく”専門家”というくくりでも主に大企業のスウェーデソ法人設立支援みたいな感じなので一般人がサポートを得ることは難しいようです。(これは多分誰がネットで調査しても同じ)
通常であれば移民局に直接問い合わせるという選択を選ぶと思いますが、他の国の調査の経験から僕は初めから彼らにあまり期待していませんでした。
今回偶然たどり着いた移民関係の専門家に尋ねたところ、”移民局に聞きに行くと、聞きに行っただけでパスポートなどのコピーを取られて色々調べられる”ということなので結果的に行かなくて正解だったなと思っています。(別にやましいことはないんですが、無意味にパスポートの控えなどを取られて痛くもない腹を探られるのはあまり気分のいいことではない)
この移民関係の専門家にビザの申請のアシストをお願いすると手数料が1200€、登録の印紙代が500€らしいです。
実際に起業してビザを申請する時、審査の対象となるのは具体的に何かというと、その会社が十分な額のお金を持っているかどうかということです。
例えば今回僕は「ビジネスコンサルタント」ということで起業するケースを調べたのですがこの場合には月給3000~4000€、社会保険料31.42%という前提で、3ヶ月分の給料と社会保険料をまかなえるだけのお金が会社にある、というのが条件になります。(「大工さん」とかだと最低月給の規定は1500€くらいまで下がる)
ちなみに法人税は23%、付加価値税(消費税みたいなもん)は25%です。
所得税は額によって違いますがだいたい29~58%で額が増えるごとに税率も上がります。
このプロセスで(σ・∀・)σゲッツ!!できるビザは”Work Permit”という種類になります。
更新期間は2年。この2年間で50%以上の期間スウェーデソから出ていると更新する権利をなくします。しかしシェンゲンエリアから出ない場合パスポートにスタンプが押されないので、実質的に”合計1年以上シェンゲン圏から出ない”というのが条件になります。
社会保障に関してはこのビザを持てば基本的に全てカバーされますが歯科に関することは適用外です。それ以外であれば病気の内容に関わらず、入院すれば1日約8€以上本人が負担する必要がなくなり、専門医にあたる場合も約35€以上は国がカバーしてくれます。
追記 (2014/8/20)
ビザ取得に際して語学試験のようなものはありません。以前、そういうものを課す必要があるのではないかという議論がスウェーデソ内でなされたようですが、結局課さない方向にキマったようです。
またビザを取られた方の配偶者と18歳未満の子どもはカバーされ、社会保障もスウェーデソ人と同じレベルで受けられます。
起業、ビザ取得に関しては現時点で既にメール一本で手続きを始められますので質問も含め、いつでもご連絡ください。
今回の調査は完全に自腹で無制限に情報を公開しております。
もしもこの情報が役に立った、参考になったと思われたら、FacebookやTwitterなどからメッセージをいただき、銀行情報を請求いただけると嬉しいです。よろしくお願い致します。m(_ _)m
Iori Mochizuki You read this now because we’ve been surviving until today.