[311] 追悼

テクノロジーが生活を容易にするにつれ、我々は天から与えられた知性と呼ばれる能力を放棄するようになった。考えない葦のように、ただスプーンで与えられる食事を待つようになった。

ピラミッドやバベルの塔のように、我々は巨大なやかんを建造し、その中にプルートを奉った。
デルフォイの神託*1 はガラスの箱に蘇り、何を信じるかを説き、考えることを止めさせた。
疑うことは禁じられ、それでも疑うものは異端として扱われた。
山が谷になり、海の底が太陽に届く時、水の壁が我々の夢を飲み込んだ。
古いやかんー偽りの神の象徴ーは粉々に砕け散り、我々はプルートがキノコ雲に立ち現れるのを見た。
持てる者達は持たざるものを失うことをおそれ、瓦礫で出来た教会に収容した。ステンドグラスは紙幣で、十字架は骨で出来ている。それは黒い川に浮かぶ掘っ立て小屋だった。
人々は”神”に二度と目を開けないことを誓った。そうすればもうプルートを見ずに済むから。また彼らは蝋を耳に流し込んだ。
プルートはもう教会の外にはいない。それは我々の靴の中、ポケットの中、呼吸、そして血の中にいる。
親から授かり、子に渡すはずの手紙*2 は醜く書き換えられている。子どもたちが読むとき、天国*3 は地獄*4 と読まれるだろう。

持てる者達は持たざる者達を使って軍隊を組織し、再びデルフォイの神託に言わせた。目を見開かずに敵を見よ。聖歌隊が人々を数え、敵がどこにいるかを歌う。

黄色い風が吹く日、失われた魂に捧げられた花には頭が3つある。*5 しかし目を見開かないことを誓った人たちは気づかない。捧げられた水は燃え、パンは青く光っている。失われた魂の声は、蝋で塞がれた耳には聞こえない。
イクトゥス*6 をすべて殺してしまったことに気づいたとき、軍靴の音が近づいてくるのを聞く。

 

[English Translation]

 

 

*1  日本語では「デルフォイ」と表記されることも多い。英語表記(Delphi)や現代ギリシア語発音に基づく「デルフィ」も用いられる。遺跡の西にはデルフィの名を持つ集落があり、また遺跡を含む自治体の名前にもなっている。

(略)

デルポイはギリシア最古の神託所である。デルポイの神託はすでにギリシア神話の中にも登場し、人々の運命を左右する役割を演じる。

神がかりになったデルポイの巫女(シビュッラ)によって謎めいた詩の形で告げられるその託宣は、神意として古代ギリシアの人々に尊重され、ポリスの政策決定にも影響を与えた。また時には賄賂を使って、デルポイの神託を左右する一種の情報戦もあったといわれる。デルポイに献納する便のために、ギリシアの各都市はデルポイに財産庫を築いた。[URL 1]

*2 遺伝情報

*3 Heaven

*4 Hades, プルートはHadesの王

*5 帯化などによって頭部が複数あるタンポポやひまわりが2012年の春以降、関東地方で多く発見された。一般的に放射能との因果関係はないことになっているが根拠は不明。また、ギリシャ神話において冥界の番犬ケルベロスには頭部が3つあったとされる。形骸化し、屍となった三権分立という意味も込められている。

* 6 魚、イクトゥス。ローマ時代、クリスチャン達が迫害を逃れるために密かに使ったとされる暗号。また二匹の魚と五つのパンをイエスが奇跡をおこして5000人に食べさせたという「パンと魚の奇跡」から、飢えをしのぐための食料として重要な存在とされている。イスラム教のコーランでは、広い海(心)を自由に泳げる存在としての象徴。2013/2/28、福島原発港湾内でとれた魚から510,000Bq/Kgが検出された。東電は港湾内の魚は全て駆除するとしている。

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